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退職金と転職の関係をデータで解説|損しないタイミング・税金・企業型DCの扱い方

退職金と転職の関係をデータで解説|損しないタイミング・税金・企業型DCの扱い方

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Career Shift Lab 編集部
転職メディア編集部 / 業界経験10年以上のキャリアアドバイザー監修

転職を決意したとき、年収や仕事内容と同じくらい気になるのが「退職金」の問題です。勤続年数によって支給額が大きく変わるうえ、税金の計算方法も独特なため、知識がないまま退職日を決めると数十万円単位で損をするケースがあります。

さらに近年は、従来型の退職一時金に代わって企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入する企業が増加傾向にあります。厚生労働省「就労条件総合調査(2023年)」によると、退職給付制度がある企業のうち確定拠出年金を採用している企業は約27%に上りました。転職時に適切な移換手続きを怠ると、運用が止まったまま手数料だけ引かれ続ける「放置リスク」も無視できません。

本記事では、勤続年数別の退職金相場・退職所得控除の仕組み・企業型DCの移換手順など、転職前に押さえておきたいお金のデータをまとめました。数字の根拠を示しながら、損をしないための判断軸をお伝えします。

目次

この記事でわかること

  • 勤続年数別・企業規模別の退職金相場データ
  • 退職所得控除の計算方法と節税ポイント
  • 企業型DC・iDeCoの移換手続きと注意点
  • 退職金が減りにくい「辞めどき」の見極め方
  • 転職先に退職金制度がない場合の代替策

勤続年数別の退職金相場をデータで確認

大企業と中小企業で差はどれくらいか

退職金の水準は、勤続年数と企業規模の両軸で大きく変動します。厚生労働省「就労条件総合調査(2023年)」と東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(2022年)」のデータをもとに、大学卒・自己都合退職のモデルケースを整理しました。

勤続年数大企業(1,000人以上)中小企業(300人未満)
3年約60万〜80万円約25万〜40万円
5年約120万〜150万円約50万〜80万円
10年約300万〜400万円約120万〜180万円
20年約900万〜1,100万円約350万〜500万円

自己都合退職は会社都合と比較して2〜3割減になるケースが一般的です。退職金規程は会社ごとに異なるため、必ず自社の規程を確認してください。

勤続年数の「端数」に注意

多くの企業では退職金を勤続年数の「年単位」で計算します。たとえば勤続4年11ヶ月で退職すると「4年」として算定され、あと1ヶ月待てば「5年」のテーブルが適用される場合があります。退職日を1ヶ月ずらすだけで数十万円の差が出ることもあるため、転職活動と並行して退職金規程の端数処理ルールを確認しておきましょう。

退職所得控除の仕組みと手取りシミュレーション

控除額の計算式

退職金にかかる税金は「退職所得控除」によって大幅に軽減されます。計算式は以下のとおりです。

  • 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
  • 勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

たとえば勤続10年であれば控除額は400万円。退職金が400万円以下なら課税額はゼロになります。控除を超えた部分のみ1/2が課税対象となるため、給与所得と比べて税負担はかなり低く設計されています。

2026年以降の税制改正の動向

近年、退職所得控除の「勤続20年超で優遇が大きくなる」構造が転職抑制につながるとして、政府税制調査会で見直しが議論されています。今後の税制改正によっては控除額の計算方法が変わる可能性があるため、退職時点の最新ルールを国税庁のサイトなどで確認することが重要です。

企業型DC・iDeCoの移換手続き

企業型DCを放置するとどうなるか

前職で企業型DCに加入していた場合、退職後6ヶ月以内に移換手続きを行わないと、資産は国民年金基金連合会に自動移換されます。自動移換されると運用がストップし、管理手数料だけが毎月差し引かれるため、長期間放置すれば資産が目減りしていきます。厚生労働省の公表データでは、自動移換者数は2024年3月時点で約127万人に達しており、決して他人事ではありません。

転職先の制度に合わせた移換パターン

転職先の退職給付制度により、手続きが異なります。

転職先の制度移換先の選択肢
企業型DCあり転職先の企業型DCに移換
企業型DCなし・会社員継続iDeCo(個人型確定拠出年金)に移換
フリーランス・自営業に転向iDeCoに移換

フリーランスへの転向を検討している方は、iDeCoの掛金上限額が会社員時代と異なる点にも注意が必要です。手続きの期限と書類を早めに確認しておくと安心でしょう。

退職金で損しない「辞めどき」の見極め方

支給率テーブルの変動ポイントを読む

多くの退職金規程には「勤続◯年から支給率が大きく上がる」節目があります。一般的には勤続3年・5年・10年・20年に区切りを設けている企業が多い傾向です。転職先の入社日に余裕がある場合は、退職金テーブルの次の節目まで在籍を延ばすか検討する価値があります。

ボーナス支給日と退職日の組み合わせ

退職金だけでなく、賞与の支給条件も確認しておきましょう。「支給日在籍要件」がある企業では、ボーナス支給日の前日に退職すると賞与が全額カットされるケースがあります。退職金の端数処理とボーナス支給日の両方を考慮し、退職日を設定するのがベストです。

住宅ローンを組んでいる方は、転職と退職金の受取タイミングが審査に影響する場合もあるため、住宅ローンと転職の関係をまとめた記事もあわせてチェックしてみてください。

転職先に退職金制度がない場合の備え

退職金なしの企業は増えている

厚生労働省「就労条件総合調査(2023年)」によると、退職給付制度がある企業の割合は74.9%で、調査のたびに微減傾向が続いています。とくにスタートアップやSaaS企業では退職金制度を設けず、その分を月額給与やストックオプションに上乗せする報酬設計が珍しくありません。

自分で備える3つの方法

退職金制度がない企業に転職する場合、次の3つの手段で老後資金を補完できます。

1. iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除になり、運用益も非課税

2. つみたてNISA/新NISA:非課税枠を活用した長期積立投資

3. 小規模企業共済(フリーランス・経営者向け):掛金が全額所得控除

いずれも「退職金の代わり」として早期に積み立てを始めるほど複利効果が大きくなります。転職で年収を上げつつ、余剰資金を制度投資に回す戦略が有効です。年収アップを目指す具体的な方法については20代の年収アップ転職戦略の記事で詳しく解説しています。

体験談:勤続8年で転職し、退職金で後悔したAさんのケース

30代半ばのAさん(メーカー勤務・勤続8年)は、転職エージェント経由で年収80万円アップのオファーを得て転職を決意しました。しかし退職金規程を確認せずに退職届を出した結果、支給率テーブルの「勤続10年」の節目を逃し、退職金は約180万円。あと2年在籍していれば約300万円を受け取れた計算で、差額は約120万円でした。

Aさんは「年収アップ分で2年以内に回収できる」と判断して転職自体は後悔していないものの、「退職金テーブルを事前に確認していれば、入社日を転職先と交渉してもう少しうまく立ち回れたはず」と振り返っています。退職金は「もらえる額」だけでなく「もらえるタイミング」も重要だと実感したそうです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 退職金は転職回数が増えるほど不利になりますか?

一般的に、退職金は1社あたりの勤続年数に比例するため、短期間で転職を繰り返すと1社ごとの退職金は少なくなりがちです。ただし転職で年収が上がれば生涯収入としてカバーできるケースも多く、退職金だけで転職の是非を判断する必要はありません。

Q2. 退職金の受け取りは「一時金」と「年金」のどちらが得ですか?

税制面では退職所得控除が使える一時金の方が手取りが有利になるケースが多いとされています。ただし個人の所得状況や退職後の資金計画によって最適解は変わるため、税理士やFPに相談することをおすすめします。

Q3. 転職先の退職金制度は面接で聞いても失礼になりませんか?

退職金制度は労働条件の一部なので、質問すること自体は問題ありません。面接の場で聞きにくい場合は、内定後のオファー面談や転職エージェント経由で確認する方法もあります。条件面の確認は入社後のミスマッチを防ぐためにも大切なステップです。

まとめ

退職金は「勤続年数」「企業規模」「退職理由(自己都合 or 会社都合)」の3要素で大きく変わります。転職を検討する際は、まず自社の退職金規程を確認し、支給率テーブルの節目と退職日の関係を把握することが第一歩です。退職所得控除の計算を事前にシミュレーションしておけば、手取り額を正確に見積もったうえでキャリア判断ができます。企業型DCの移換手続きは6ヶ月の期限があるため、転職が決まったら早めに動きましょう。退職金の有無だけに振り回されず、年収・キャリアの成長性・資産形成の全体像をバランスよく考えることが、長期的に後悔しない転職につながります。

参考

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最終更新日: 2026年05月30日

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